哲学
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哲学について
哲学って?
哲学といってもピンとこない人が多いのではないかと思いますが、あなたが何かを判断するとき無意識に「哲学」をしているのです。
例えば、「良いソファーが欲しい」と思った時、あなたの中に「良い悪い」という物差しが生まれています。また、ニュースを見て「あの政治家はヒドイ」と思った時、「善い悪い」という物差しが生まれています。
この時生まれた、「良い悪い」または「善い悪い」という「物差し」が哲学なのです。
この物差しについて、有史以来、様々な議論がなされてきました。これらは時代や地域によって大きく異なります。
まず、大きく分けて「形而下」と「形而上」という分類がなされます。
「形而下」と「形而上」について
形而下・形而上を簡単に言うと、前が「目に見える世界」、後ろが「目に見えない世界」を扱ったものと言えます。
ハーバード大学のサンデル教授の授業が話題になりましたが、彼が扱っているのは「形而下の哲学」です。
キリスト教神学やヴェーダに基づく様なものは「形而上の哲学」と言えます。
あなたはどちらに基づいて人生を歩んで行こうと思いますか?
どちらを選択するのも、あなたの自由ですが、科学としての現実から逃れることはできません。
もし、宇宙が「形而上の構造」を持つものとして形作られていたとしたら(魂とか霊とかがある場合)、あなたの形而下の哲学では、形而上の世界(例えば死後の世界)を生きていくことはできなくなります。
形而上の哲学を扱う場合、宗教という概念が入ってくるため、形而上の問題は、宗教の部分で取り扱います。よって、ここでは、形而下の哲学について検討したいと思います。
客観的な善悪は存在するのか?
哲学とは
●世界のあり方はどのようになっているのか。
●その中でどのように生きていくべきなのか。
を議論しているものと言えます。
「哲学のあり方」や「論理的な側面からの解析」とかを行っているものもありますが、それらは「議論のための議論」となっているため、ここでは扱いません。あくまでも、人生最適化のために役立つ哲学をします。
世界のあり方はどのようになっているのか。
これは、科学の領域も入ってきます。事実、「科学哲学」という分野も存在しています。ここでは、量子力学を中心とした哲学が展開されています。よって、この内容については、科学の部分で議論します。
よって、ここでは、「その中でどのように生きていくべきなのか」を、議論していきたと思います。
客観的な善悪は存在するか?
形而下の哲学として「サンデル教授のハーバード白熱教室」はよくまとめられていました。ご覧になられなかった方は、DVDも出ていますので見てみてください。
また、「これからの正義の話をしよう」という本も出ていますので、ご興味のある方は読んでみてください。
その中で述べられていた正義は以下の3つです。
●アリストテレス的正義
●功利主義的正義
●カント的正義
サンデル先生自体は、コミュニタリアニズム的正義を信奉しています。それらの内容は、ここでは省きますが、どの哲学においても「正義が存在する」ということは変わりません。
ただ、信奉する哲学によって違いが生じ、軋轢が生じるということです。それが政治的対立や戦争を引き起こすことになります。
単なる価値観の相違としてとらえることが大切
「正義」を唱える場合、その補集合である「不正義」も唱えていることになります。簡単に言うなら「相手が悪い」ということです。
「正しい・正しくない」にフォーカスしすぎると、争いを生みます。要は、「価値観の相違に過ぎない」と相手を尊重することが必要だと思います。
先に上げたサンデル先生ですが、彼はコミュニタリアンです。「自分の近しいものを愛するのは正義である。」と言う主張です。
「他の家族より自分の家族を愛するのは正義であり、他の国より自分の国を愛するのも正義である。」という考え方です。
果たしてこれは「正義」でしょうか?
最強のコミュニティについて考えてみます。最強のコミュニティとは何だと思いますか?その答えは宗教です。
自分の命を賭してまで守ろうというのが宗教です。宗教によって生み出されたコミュニティが最強だと思います。それですので、宗教が異なる場合の軋轢が、最強の軋轢だと思います。
この軋轢は、有史以来戦争を生み続けています。人類を、もっと言えば、生きとし生けるものを幸せにするために、生み出された宗教が、人々不幸にしているのです。
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